開山堂の額上がる。

以前開山堂の入り口に、ボロボロの額が飾られていました。

あまりにみっともないその額を、お檀家さんで書家でもある真下先生はずっと気にかけておられて、昨年「私にこの額を修復させてくれないか」と申し出てくださいました。

しかしこの額、真ん中から破れて書いてある字もはっきりとしないような悲惨な状態。

壁から外すだけで表面がポロポロと剥がれてくる始末でした。

そんな状態に先生も「駄目元でやってみます」とのことでしたが、長い時間をかけて修復し立派な木製の額に再生させてお持ちくださいました。

 

真下先生の作として、本堂玄関の”喫茶去”、山門の”長松禅院”に続いて三つ目の奉納。

いつも気にかけてくださり感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございます。

揮毫された文字は大般若理趣分第九にある供養真浄器田の章より”真浄器田”。

時は文政年間、世田谷は豪徳寺の東際覚城。

器とは応量器(僧侶の使う食器)つまり僧侶を指し、田は善根を植えるための田、つまり修行道場(寺院)を指すと私は解釈いたします。

(もし解釈が違っていたらどうぞご指導ください)

真に浄い僧侶と寺院であるために、自らを励ます気持ちで掲げさせていただきます。

来山された時にはどうぞ見て行ってください。