ドラえもん地蔵の謎。

今日、知らない人がいきなりお寺にこられました。

「こんにちは! すいません、あそこにあるのってドラえもんですよね???」

 

そう、長松院にはドラえもん地蔵が鎮座ましましています。

その方は、中年の男性でした。

よほどドラえもんが気になったのでしょう。

矢も盾もたまらず聞きに来られたのでしょうね。

少し恥ずかしそうに、でも真面目な顔で聞いてこられました。

私 「はい、あれはドラえもん地蔵といいます」

男性「なんでドラえもんが??」

私 「隣にお地蔵さんがいますよね。お地蔵さんは生きとし生けるもの、衆生一切を救ってからじゃないと自分は涅槃寂静しない、とお誓いされて修行されている菩薩です。しかしそのお地蔵さんにも唯一救えない衆生があります。それは『今世で縁のなかったもの』なんだそうです。一度、たった一度でいい、生前にお地蔵さんに手を合わしていれば、それを仏縁と為し救ってくださるのだそうです。」

男性「ほうほう。そうですか」

私 「はい。でも、小さい子にそんなことを言ってもピンとは来ません。しかしドラえもんには小さい子がみんな反応してくれるんです。アタマを撫でに、そして自然とお地蔵さんに手を合わす。仏縁ができるわけです。小さい子を連れてきたお父さんお母さんもおじいちゃんおばあちゃんもおっちゃんもおばちゃんも、みんなに仏縁ができる。観音様は三十三の姿で衆生を救うと言われてますが、うちのドラえもんはお地蔵さんの変化した姿なんです。実際小学生が自転車で来て手を合わせている姿を見ますし、うちの子も最近は学校に行く前にドラえもんに行ってきます!と挨拶して登校してます」

 

男性はすっきりした様子で「なるほど、そうでしたか。直政公の灰塚を見に寄せていただいたんですが、あまりにも気になったもんで突然お邪魔してしまいました。どうもありがとうございました」と笑顔で帰路に着かれました。

 

ドラえもん地蔵はうちのアイドルです。

みなさんもドラえもんに手を合わせに来てください。